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2008年04月25日

構造計算というボトルネック:建築業界の混乱の現場から

現在、事務所にて、依頼していた構造計算を待ち続けています。実際、約束の期日より約1ヶ月遅れています。実質1~2週間の仕事量といったところなのでしょうが、他の仕事が膨大にあり、全然進まないそうです。。しかし。。。

でも、今夜は徹夜で待ち続けます。。さきほども、電話で構造技術者に強く催促を。。

というのも、鉄関連の資材単価が上がり続けており、今月の躯体工事見積りを逃すと、現在進めている物件の工事費は単純に200万は上がります。。あと、工期に影響を及ぼします。(現在既に1ヶ月間の工事余裕期間をほとんど消化してしまいました。)それだけ施主と施行に負担が。。

ちなみに、今回の物件の構造計算料は、正式な依頼時には1㎡あたり1000円(現在は、1㎡あたり2000円となったとか。。)であったので、計150万円となっています。(一般的な住宅だと、現在、一件あたり30~60万ほどかと。。)あ、もちろん、これとは別に申請料や審査料もやはり増えています。(で、言葉は悪いのですが、いいかわるいかはおいておいて当然天下り先やそれにからむ利権も増えています。。。)

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今回の物件は、、、当初計算料が、(依頼相談時には1㎡あたり400円前後だったこともあり。。)これほど暴騰するとは予想できず、、結局、こちら側の読みの浅さを認識し、今回は、わたしたち事務所が別に30万ほどの作業量を負担し、施行会社が残りの値上がり分を負担することになる予定に。。(もしかしたら施主も一部負担するやも。。)

構造計算料が適正価格に近づくことには大賛成であり、技術者の地位や質の向上にも繋がると思います。ただ、技術者の人材が極端に少なく、計画の躊躇や着工の延長はもとより、なかには計画が大頓挫するケースも出てきています。。。なんで?

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以前にも、

>大きな改正によるある程度の混乱は常なのでしょうが、ただ、「現場の実情、経済感覚、構造技術に疎い法律家がこさえた不出来な改正」という意見が、多くの実務者の偽らざる本音だと思います。

とこのブログでも書いたのですが、

この混乱の主な原因は、現場を知らない輩が無責任にこさえた改正建築基準法の不毛さにあります。主旨はいいが、方法がひたすら愚昧。。そもそも責任をとれない(とらない)輩に法律をつくらせていることって。。不信がますますつのる。

この問題は、専門的なものとなってしまいますので、問題の構造が一般の人やマスコミに通じにくいというのが本音です。。国や県で行う予定の緩和措置。。いまの構造技術者の絶対数が足りないという状況ではどうしようもない。。大臣認定ソフトでだいぶ解決できるということもデタラメに近いし、いつものようにアリバイ工作に活用されるお役人パブコメもいまのところ全くあてにならないといった状況です。。あの人形大臣のコメントを聞いていると。。怒りを通り越して、かわいそう(チム)になってきます。


※一般の方に、建築業界の混乱を少しでもご理解していただきたいということもあり、今回、現在業界で動いている数字を、わかりやすい形で公表することにしました。。システムのおかしいところをおかしいといわないでだまっていると。。。。「よくわからない」、「もっと詳しく知りたい」、「いやそうではないのでは」という方、コメントなりいただけると幸いです。


タグ :法律

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Posted by croton at 01:37 │日々雑感
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