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2009年10月23日

契約ケーススタディ:士法(委託)・業法(請負)

契約をどのようにすすめるのか、契約内容はどうするのか、信頼優先で無理に書面による契約を交わさないほうがいいのか、関係者間の責任の範囲はどこからどこまでなのか、建築士又は施工者としての法的責任や社会的責任は。。。

クロトンでは、依頼主のご希望を最大限に柔軟な形で実現するために、通常の設計・監理業務の他にも建物のリノベーション改修、店舗及び住宅改修工事請負、CM式、施主支給優先、コンペ・プロポーサルなど、その業務形態等もさまざまです。それゆえに、物件の方向性がはっきりと定まっていないときは、契約上も柔軟に対応しているという実情があります。

そのためか、はっきりと契約上物件の具体を明言することが困難な(あるいは明言できない)物件が発生することがあります。時には信用のみでは通用しないことがあるのも世の常であり、契約をあいまいにし過ぎたために、結果、裁判化するという最悪の事例は願わくばつくりたくありません。そのためのケーススタディを今月の講習会を機に、先日、事務所内で行いました。

*



プレーヤー
建築主・・・いわゆる設計や施工における発注者(下請負契約における発注者とは異なる)。
設計者・・・設計する者。建築士事務所に所属する国家資格を有する建築士だけとは限らない。
施工者・下請け業者・・・施工する者。建設業許可業者だけとは限らない。
設計施工者・・・建築士事務所登録をしている建設業許可業者。
代理人・・・民法上、建築主との委任契約によって発注者の権限を授権されたもの。善管注意義務アリ。


サブプレーヤー
士業法人
不動産業者
金融機関
保険機関
審査機関
近隣住民
その他得体の知れない者など


契約形態
設計・監理委託契約(申請業務上は委任)
工事請負契約・下請負契約
設計施工一括請負契約
委任契約
準委任契約(四会約款を利用した監理契約もこれに近い)
※当事者間の合意があれば書面による契約は必ずしも必要とされない。
※民法上の「契約自由の原則」により、実は各種契約約款含め契約内容・方式は当事者間の合意により、原則いくらでも定めることができる。ただし民法上問題なくても、建築士法・建設業法問題となる場合がある。


契約パタン
①建築主⇔設計者(設計・監理委託契約)
      ⇔施工者(工事請負契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
②建築主⇔設計施工者(設計施工一括請負契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
③建築主⇔代理人(委任契約)⇔設計者(設計・監理委託契約)
                   ⇔施工者(工事請負契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
④建築主⇔設計者(委任契約、設計・監理委託契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
      ⇔施工者(工事請負契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
②建築主⇔施工者(委任契約、工事請負契約)⇔設計者(設計・監理委託契約)
                              ⇔下請け業者(工事下請負契約)
⑤建築主=部分施工者⇔設計者(委任契約、設計・監理委託契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)
               ⇔施工者(工事請負契約)⇔下請け業者(工事下請負契約)



これまでの具体的事例などをもとに議論は進みました。いい勉強に。また機会みつけて。。
※文中には正確な法律用語を使用していない箇所もあります。


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