2009年07月28日
構造セミナーと最近思うこと。。角出し住宅の憂い。
一級建築士試験が終わり、試験休みをとっていたメンバー2人も復帰。。
最近暑くなりだしてきているのか、9坪の事務所に男4人で、それでいて午後の西日。。ヨシズでいくらか日影はつくりだしていますが、エアコンの効きがなかなかで少々暑い。。デスク用の扇風機購入を考えています。
ところで本日午後2~4時。以前申し込んでいた建築設計サポートセンターの構造スキルアップセミナーに行ってきました。意匠系設計関係者が200人くらいきていました。。みなさん、改正法による構造基準に苦しんでいることのひとつの数字かも。。
内容は、最近の構造計画の動向や耐震診断の考え、意匠設計者が最低限抑えておくべき計算根拠、そして申請時の構造基準の考え方など。。講師の説明は分かりやすく、現在の不経済構造基準や(直接そのようには言ってはいませんが・・)文化破壊まで招く書類・ソフト至上主義への懸念など、共感するところカナリありました。来月の第2回も参加します。
*
ところで、今年に入って、よく増改築や用途変更・既存不適格建築の話(既に話だけでいえば今年だけで10件くらいあるかと。。)があるのですが、そのほとんどに、「既存建物の構造」が現在の基準に合っていないため増築計画の中止・あるいは工事ご予算の再検討をすすめるか、申請のいらない方法(たとえば防火地域外での10㎡以下増築など)をすすめることが多いです。。既存建物と分離して施工するという方法は、特許工法含めいくつかあるのですが、工事費を見積もってみると、特殊ケースなどもあるのですが結局、在来で行うよりも予想以上に工事費が高くなってしまいます。。団塊世代が建てた角出し平屋住宅の建物で、いわゆる世代交代を迎えるにための増改築計画の相談が最も多い。。のですが、法規的にどうすることもできないことが多い。。
やけに高くつく耐震補強(特にRC造で基礎がからむと新築のほうがいいのではと思うくらい)。。だれがこの基準を決めたんだと思うくらい複雑というか取り組むのがあほらしく感じてくる全体計画認定。。設計図書が無い場合は特にですが住宅ローン控除のメリットよりも結局のところ多くのケースで高くつくので誰もやらない耐震基準適合証明書に関わる費用。。建物に安全性を重視するのはあたりまえのことで、、もう少しいい仕組みにならないのかな。。
沖縄に多い増築前提で建てられた「角だし住宅」。。ざっとみても、その8割は、普通(思っていた通りに)に増築できないという現状。。。これをどうみるのか。
Posted by croton at 18:13
│勉強会・セミナー
この記事へのトラックバック
第二回構造設計スキルアップセミナー。。先月の第一回に引き続き、てだこホールにて、さきほどまで受講してきました。。第一回目同様、勉強になりました。これでスキルアップセミナー...
朗報?!:既存不適格建築物(RC造)の増築緩和9月より【クロトンけんちくブログ】at 2009年08月14日 17:15
この記事へのコメント
沖縄特別法を作ってくれる建築に詳しい沖縄政治家って
いないのでしょうか・・・。
とくに沖縄の建物は鉄筋コンクリートで内地の建物より
頑丈だと思うのですが・・・。
東京に比べても沖縄の建設単価は割高なのに・・・。
これじゃ内地企業がどんどん増えるような気がして
なりません・・・。
いないのでしょうか・・・。
とくに沖縄の建物は鉄筋コンクリートで内地の建物より
頑丈だと思うのですが・・・。
東京に比べても沖縄の建設単価は割高なのに・・・。
これじゃ内地企業がどんどん増えるような気がして
なりません・・・。
Posted by ゆくい at 2009年08月01日 15:10
ゆくいさん、コメントありがとうございます。
沖縄特別法といえば、、、実は、地震地域係数は、東京の7割(単純に7割の耐震性ということではありませんが・・)とはなっています。地域係数とは、過去の地震データより決められた掛け率です。。
それはさておき、沖縄ではRC造が主流となっているためか、近年の改正法により、通常の住宅規模でも、やたら頑丈にしないと審査がスムースに通りにくくなっている状況、、もどかしいところです・・・。
資材単価では、割高であると思います。ただ、建設単価はRC造の場合ですと、東京に比べ職人の数が多く、そして人件費が低いので、、割安であると思います。型枠の技術は沖縄が高いともよくいわれますが。木造在来(特にプレカット)だと東京が安いかと。。公共単価(!)はよくわかりません。
ゆくいさん、暑い夏、ちるーちゃんも一緒に乗り切っていきましょう!
沖縄特別法といえば、、、実は、地震地域係数は、東京の7割(単純に7割の耐震性ということではありませんが・・)とはなっています。地域係数とは、過去の地震データより決められた掛け率です。。
それはさておき、沖縄ではRC造が主流となっているためか、近年の改正法により、通常の住宅規模でも、やたら頑丈にしないと審査がスムースに通りにくくなっている状況、、もどかしいところです・・・。
資材単価では、割高であると思います。ただ、建設単価はRC造の場合ですと、東京に比べ職人の数が多く、そして人件費が低いので、、割安であると思います。型枠の技術は沖縄が高いともよくいわれますが。木造在来(特にプレカット)だと東京が安いかと。。公共単価(!)はよくわかりません。
ゆくいさん、暑い夏、ちるーちゃんも一緒に乗り切っていきましょう!
Posted by croton at 2009年08月01日 19:22